現代で働くメイドとその雇い主にとって、無視できない存在である法律や働き方のルール。
大切なのはわかっているけど、とっつきにくい〜!
そこで、メイド社労士のレイラさんによる連載「お屋敷のための働き方ガイド」がスタートしました。
第3回のテーマは「過労死」について。
一見重そうなテーマですが、必要なのは意外と小さな工夫です。
早速お勉強をいたしましょう!
この連載は、メイド社労士のレイラの提供でお送りする広告記事です。
11月は「過労死防止啓発月間!人手不足と心身の健康に目を向けよう
こんにちは。メイド社労士のレイラです。
11月に入り、冬イベントの準備がはじまりましたね。
お屋敷でも冬限定メニューや衣装の準備で、そろそろ慌ただしくなってくる時期ではないでしょうか。
さて、実はこの11月、「過労死等防止啓発月間」という国のキャンペーンが行われています。
ちょっと物々しい名前ですが、要は“働きすぎを見直して、自分や周りの健康を守ろう”という呼びかけです。
「それより世界観のほうが大事」「まだ自覚ないし平気」なんて思っていませんか?
でも、メイドのお仕事って、想像以上に体力と気力を使う職業です。
今回は、メイドさん・オーナーさん、それぞれの立場から「冬を乗り切る健康のコツ」を一緒に考えていきましょう。

メイドさんの笑顔は“感情労働”というプロの技術
お屋敷に入るとき、メイドさんはスイッチを入れ替えます。
眠くても、体調が悪くても、扉を開けた瞬間から「ご主人様・お嬢様を迎える笑顔」に切り替える。
この「感情のコントロール」は、まさにプロの技術です。
でもね、これってすごくエネルギーを使うことなんです。
長く続けていると、“笑顔の筋肉”も“心の体力”も、少しずつすり減っていきます。
「疲れたけど、みんな頑張ってるし…」
「今日だけ頑張ればなんとかなる」
そうやって積み重ねるうちに、ある日突然“何も感じない”状態になることがあります。
だからこそ、まず知ってほしいのは、「笑顔を保つこと自体が大変な仕事」だということ。
それを続けるためには、ちゃんと休んで充電する時間が必要なのです。
11月は「自分をねぎらう」季節
日照時間が短くなってくるこの季節、人の心と体は自然とエネルギーが落ちます。
特に夜型の勤務が多いお屋敷では、朝日を浴びる機会が減り、体内時計が乱れがち。
「なんか最近ずっと疲れてる」
「寝てもすっきりしない」
「虚無感がすごい」
……そんなサインが出ていたら、無理のしすぎかもしれません。
メイドさんは「ご主人様、お嬢様のために」が口癖のような優しい方が多いですが、そこに“自分のために”を入れる勇気を持ってください。
紅茶をゆっくり飲む時間をとる。帰宅したらスマホを見る前に深呼吸をする。温かいお風呂でふくらはぎをほぐす。
そういった小さなケアが、プロとしての笑顔を守ってくれます。
自分の調子をチェックしてみよう(簡易セルフ診断)
- 朝、起きた瞬間から疲れている
- 食欲がなく、甘いものばかり食べてしまう
- お客様や同僚と話すのがしんどい
- SNSの通知を見るのが怖い
- 「やらなきゃ」が頭の中でぐるぐるしている
1つでも当てはまったら、心の電池が減っているサインです。
放っておくと、取り返しのつかないほど燃え尽きてしまうことも。
お屋敷の仲間に話してみる、少し早く帰る、病院やカウンセラーに相談する。
それは「弱さ」ではなく、「長く続けるための工夫」です。
昼夜逆転と食生活の乱れに注意
夜営業が多いメイド喫茶や間借りイベントのお屋敷では、どうしても生活リズムが乱れがち。
「休憩が取れない」「ご飯を抜いてしまう」「お菓子とエナドリで乗り切る」―そんな日もありますよね。
でも、糖分とカフェインでつなぐ働き方は長く持ちません。
一時的に元気が出ても、あとで急に気力が切れてしまうのです。
私のおすすめは、“温かい・噛む・たんぱく質”の3つ。
例えば、具沢山スープ、卵入りうどん、ささみサラダなど。
簡単でも栄養がある食事を選ぶだけで、翌日の体の軽さが全然違います。

オーナーさんへ ― “安全配慮義務”って、堅苦しい話じゃない
経営者にとっても、11月は見直しのタイミングです。
労働時間・シフト調整・休憩スペース・深夜業務の扱い。
これらはすべて「法律だから」ではなく、“守ることで人が続けられる仕組み”です。
スタッフの健康を守るのは経営リスクの削減でもあります。
疲弊したスタッフが増えると、離職・トラブル・SNS炎上など、目に見えない損失が広がります。
「人が足りないから無理をする」ではなく、「無理をしないように体制を整える」。
これがオーナーシップの本質です。
オーナーさん自身の体調も、ちゃんと守って
誰よりも働き、誰よりも責任を背負う立場ほど、倒れやすい。
「自分がやらなきゃ回らない」という気持ち、痛いほどわかります。
でも、継続してお屋敷を守るために必要なのは「完璧さ」ではなく「任せる勇気」です。
スタッフに小さな裁量を渡してみる。苦手な分野を外部に委託してみる。数時間でも、何もしない時間を取ってみる。
経営者の健康は、そのままお屋敷全体の空気になります。
最後に:誰かを癒す人こそ、自分を癒して
お屋敷という場所は、誰かの「非日常」をつくる場所です。
でも、そこを支えているのは「日常の努力」と「人間らしさ」です。
11月は、無理をしている自分に少しだけ優しくなってみましょう。
それは仕事の甘えではなく、未来への投資です。
メイド服に袖を通した瞬間、気持ちが引き締まるように、自分の健康を見直すこともまた、プロ意識のひとつ。
働く人も、雇う人も、応援する人も。それぞれが自分のペースで心と体を整えて、この冬もお屋敷をあたたかく灯していけますように。
一人で抱え込んでいっぱいいっぱいになる前に、人事周りもメイドに頼ってみませんか?
メイド業界以外でもご相談可能で、他にマッチ度が高い先生がいましたら、そちらにお繋ぎすることもできるとのこと。
メイド社労士のレイラさんにご相談をご希望の方は、レイラさんのXのDMまでご連絡くださいね!
この連載は、メイド社労士のレイラの提供でお送りしました。
※本記事はレイラさんが一般的な例を分かりやすくまとめたものです。一般的な例を用いて説明していますので、お店ごとで事情が異なる場合があります。個別事案や正確な情報については必ず社労士などの専門家にご相談ください。
